2018年のおれ的ベスト!
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の静かな映画。ジャンル不能。あえていうなら、ミステリアスな恋愛ヒューマン。さすがはニューシネマパラダイス、海の上のピアニストの監督さんです。雰囲気が心地いいんだな、これが。
一流の美術鑑定士にして、カリスマ的オークショニアのヴァージル・オールドマン。極端に人間嫌いで独身を貫く彼が唯一愛情を注ぐのが、女性の肖像を描いた名画たち。これはと思う肖像画が出品されると、相棒のビリーを使い、不正な手段で自分のコレクションに加えてしまうのだった。そんなある日、彼のもとに、亡くなった両親が遺した家具や美術品の鑑定をしてほしいという若い女性からの依頼が舞い込む。ところが依頼人は、決してヴァージルの前に姿を見せようとはしなかった。憤慨するヴァージルだったが、依頼人の屋敷である歴史的名品の一部とおぼしき部品を発見してしまい、この依頼を引き受けずにはいられなくなる。そして屋敷に通ううち、姿の見えない依頼人に少しずつ興味を抱き始めるヴァージルだったが…。
鑑定士と顔のない依頼人 – allcinema
脚本も手掛ける監督さんっていうのは、どうしてこんなにも引き込むのがうまいんだろうか。ながら観してたはずなのに、いつの間にかもう片方の画面はほったらかし。引き込む力が半端ないっすよ。
上映時間は2時間ちょい。時間をみて、もうちょっと短くてもよかったんじゃないか?とも思った。けど、内容的にもある程度のタメが必要だったらからこれはこれで良かったんじゃないかと。ミステリーにはタメが必要なんですよ。
主演はジェフリー・ラッシュ。いいですねえ。味わい深い。舞台出身だからかな。パイレーツのイメージがぶっ飛んだね。
そしてあの展開。まったく予想してなかっただけに、主人公の気持ちを追体験してるような錯覚に陥っちゃって・・・おれ自身が茫然、放心。トルナトーレ監督に心も感情も弄ばれること必至な映画です。やられちまったぜ!