見終わったあとの脳内ごちゃごちゃ感といったら。
クリストファーノーランとヒュージャックマン、クリスチャンベールが、がっぷりよつになったサスペンス映画。ヒューマンでもいいんじゃね?と思うほどのむき出しの人間性が凄まじい。特にクリスチャンベール。バットマンよりあんたはやっぱこっち側だろ。
19世紀末のロンドン。華麗かつ洗練されたパフォーマンスで魅せる“グレート・ダントン”ことロバート・アンジャーと、天才的なトリックメイカー“ザ・プロフェッサー”ことアルフレッド・ボーデン。2人のマジシャンは、修業時代から互いを認め合いマジックの腕を競い合っていた。しかし、アンジャーの妻が脱出マジックに失敗して命を落とすと、その原因がボーデンにあったことから、アンジャーは彼への復讐に取り憑かれていく。そんな中、ボーデンはサラと出会い幸せな家庭を築く。一方のアンジャーも、美しく優秀なアシスタント、オリヴィアを得て、その華麗なステージが評判となる。しかし、2人の確執は一層激しいものとなっていくのだった。
引用元:プレステージ – allcinema
ほんとノーラン映画はどうしてこうも消耗すんだろう。映画自体長めっつーのもある、流れがちょい複雑なとこもある。うまく場面場面をシームレスに流してるけども、普段地上波映画のみって層には理解するには難があるかもしれない。
具体的にいうと、初っ端、ラスト付近から入る。そして倒錯モノの様相を呈して、物語は進行。途中、クリスチャンベールが読む日記の中で、ヒュージャックマンがさらにクリスチャンベールの日記を読んでしまうせいで、物語は複雑に絡み合う。ここで脱落していく人が多数なんじゃなかろうか。
ただ、それをがっぷりよつで押し切ってしまうほどの、ラストに向けての怒涛の展開。この推進力で脱落者をぶっちぎっていき、ようやく物語は冒頭でのラストにつながる。
クリスチャンベールは役目を終え、ヒュージャックマンもあっけない最後を迎え・・・そしてひとり残ったあの男が長い長いショーに幕を降ろすのだった。え!?でもそれってそういうことだったじゃん???とハテナ満載のままエンドロールを迎えた人がほとんどだったと思う。
なんでこんな気持ちになったのか。それは最後まで手品映画だと思って観てしまったから。最後までショーの観客でいると、この映画を楽しむことはできない。この映画は途中からすでに人間の欲望と愛憎と執着の、ドロドロ人間ドラマだったのだ。それを最後までどんな種明かしが!?どんなトリックが!?という期待で観てると、最後のエンドロールで、妙な心境に陥ってしまう。
何を隠そう、おれがそうだったのだ!
いやーマジあのラストのあとキョトーンとしちゃったね。でも2回目はすんなり胸に入ってきました。1回目が微妙だったという人、数か月後の2回目は楽しめるはずだよ。ノーラン映画、やっぱり間違いない。