こんなの卑怯だろうよ!
ジョナサン・レヴィン監督のゾンビもの。世間的にはこの監督さんがやりやがったみたいになってますけども、個人的には原作が良すぎたんじゃね?と思ってます。・・・違うの?50/50とか他の作品観ててもね、そこまでグッとくるものはなくって。この作品が飛び抜けてんだよなあ。あぁ、でもWiki見たら脚本も監督さんが書いてるのかあ。ならやっぱこの人すげぇんだわ。
近未来の地球。街にはゾンビがあふれ、生き残った人間は砦を築いて身を潜める日々を送っていた。ゾンビの中には完全に感情や思考能力を失い、ひたすら獰猛な“ガイコツ”と呼ばれる種族も跋扈していたが、Rは今はまだわずかに人間らしい意識を残すゾンビの青年。ある日、仲間のゾンビと食料を求めて人間狩りに出向いたRは、物資調達に来ていた人間たちを発見するが、思いがけず一人の女の子ジュリーに一目惚れしてしまう。そして、ゾンビに囲まれ絶体絶命の彼女を助けるという行動に出る。最初はRに恐怖しか感じていなかったジュリーだったが、彼のつたないながらも純粋な優しさに触れ、次第に心を開いていく。そんなジュリーとの交流を重ねる中で、ある変化が生じていくRだが…。
ウォーム・ボディーズ – allcinema
大作感は皆無なくせに、世界観といい、演出といい、BGMといい、ストーリーといい、すべてがベストマッチするとこうも化けるものなのかと感嘆してしまいましたよ。ゾンビの恋愛ものと侮るなかれ。素直に面白い。
なにこれ?ゾンビのくせに!とか言っちゃだめ。ゾンビと恋愛なんてふざけんな!ごもっとも。突拍子もない奇天烈ストーリーで話題性狙っただけだろ!そうかもしんない。でもね、もうすでにゾンビっていう前提がフィクション大爆発なんだからさ、恋愛したっていいじゃない(笑)。なんか、ゾンビカテゴリがここまで肥大化した昨今、ゾンビはこうあるべきってのが我々の中に出来上がってしまった感がありますよね。フォーマットと呼べるようなものが。そこをぶち抜いてくれる、良い意味での改革者が本作でありジョナサン・レヴィンだったんじゃないかなあと。
ベタ褒めなのもなんだから、一つケチを付けるとするとマルコビーーッチ。おれの知ってるマルコビッチは癖の強い、ある意味変態寄りの役者さんだったんだけどね、なぜかレッドあたりから真面な大御所よりのポジションで役柄も無難なものばかりになってしまって・・・ミスキャストとはまでは言わないけども。マルコビッチじゃなくてもよくね?とは思った。
ついでに主役の彼。お初でーす。微妙に人間に寄っていく見せ方といい演出といい、うまかったねえ。なんとなくマイケミカルロマンスに見えなくもないけどね。白さと黒さが(笑)
観終わったあとのスッキリ感といったらそりゃもうたまんないぜッ。